うつ病教室
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からだの病気とうつ病 胃や腸の病気とうつ病
むねやけがする、胃が痛い、便秘や下痢が続く、
消化器症状の発症にはストレスが関係しているって本当?

「ストレスで胃が痛い」などという表現をしますが、ストレスによって胃を始めとする消化器に症状がでたり、病気になったりすることは一般的にもよく知られています。胃や腸などの消化器は、全身のなかでもストレスの影響を受けやすく、その症状が現れやすい器官です。そして、そのストレスはこころにも影響を及ぼし、うつ病などの病気を一緒に発症することもあります。
ここでは、一般の人の中でも発症の多い、「1.潰瘍」と「2.便の異常」の2つの病気とうつの関係を解説します。

1.潰瘍がなかなか治らない…

潰瘍は、さまざまな原因によって胃や十二指腸の壁の一部が削られてしまう病気で、その発症部位によって胃潰瘍と十二指腸潰瘍に分かれるのですが、皆さんの混乱を避けるためにここでは、「潰瘍」として説明します。
イメージ潰瘍が起こる原因にはヘリコバクター・ピロリ菌という細菌の感染などによるからだからの影響の強いものや、ストレスなどの精神的な影響の強いものなどさまざまな要因があります。
  ストレスが主な原因となって発症した潰瘍の特徴の1つとして再発を繰り返しやすいことがあります。これは、潰瘍は治療で改善できても、その原因となっているストレスは簡単には取り除かれず、持続しやすいためです。このため、潰瘍になった場合は、治療と平行してこころのケアにも十分な注意が必要です。
また、潰瘍の患者さんでは、病気の原因の1つとなっているストレスが継続されることによってうつ病が発症することも報告されています。
そのため、潰瘍の治療を受けているのに、なかなか症状がよくならない、再発が繰り返される、症状は改善したのになぜか気持ち的にすっきりしないなどの状態が続いているときは、うつ病が発症している可能性もあるため医師に相談してみましょう。

2.からだに特に異常はないのに、最近便の調子が悪い…

○こんな症状は続いていませんか?
  イメージ
  これは、過敏性腸症候群という病気の代表的な症状です。過敏性腸症候群という名前を聞いたことがない人は多いと思いますが、実はこのような症状を持つ人は多く、日本人の20%、5人に1人はこのような症状を持っているといわれています。特に20代、30代の若い世代で多く、女性に多くみられます。
今この過敏性腸症候群という名前にピンとこなくても、症状や病気の特徴で考えてみるとあてはまる人は多いはずです。


○過敏性腸症候群(IBS)ってどんな病気?

過敏性腸症候群は、検査を受けても特に異常がみつからないのに便通の異常が続く病気で、このときお腹の痛みを伴います。そして、このような症状が1年のうちで3ヵ月以上も続きますが、必ずしも連続して症状が現れるとは限りません。英語でIrritable Bowel Syndromeというため、医療の現場ではその頭文字を取ってIBSと呼ばれています。
過敏性腸症候群では、下痢が続いているか、便秘が続いているか、または下痢と便秘が繰り返されているか、という症状の違いによって3つのタイプに分かれます。これらの中であてはまるものがあれば過敏性腸症候群の可能性を疑ってみてください。

【下痢型】
このタイプは男性に多く、腹痛を伴いながら下痢が続いています。便をする回数は多いのですが、1回の便の量は少ないのが特徴です。
典型的なパターンは、朝食を食べたあとに、1回目の便がでて、このときはある程度形のある便がでますが、その後回数を重ねるごとに便が下痢状に近づいていきます。

【便秘型】
このタイプは女性に多く、腹痛を伴いながら便秘が続くタイプです。

【交替型】
下痢と便秘を繰り返すタイプで、過敏性腸症候群のもっとも典型的なタイプです。

また全体的な特徴として、お腹の痛みが出る部位が決まっていないことや、お腹の痛みは朝、目が覚めてから起きるため、痛みで目が覚めるというようなことはありません。そして、便がでるとお腹の痛みが消えるという特徴もあります。


  ○過敏性腸症候群の患者さんではうつ病になりやすいって本当?

過敏性腸症候群の患者さんでは、通常の人よりさまざまな「刺激」に対して敏感であり、その「刺激」に反応を受けやすい腸を持っているといわれています。ストレスは過敏性腸症候群の患者さんにとって1つの刺激となるため、下痢や便秘の症状が現れるようになります。そして、このストレスは患者さんのこころにも影響を与えるため、抑うつや不安、不眠などの精神的症状が現れることもあります。また、この抑うつや不安によって症状がさらに悪化されていくこともあり、事実、症状が重い患者さんほど精神的な症状を伴うことが多いといわれています。
症状を悪化させる不安や抑うつの例としては
・「もしも電車の中でトイレに行きたくなったらどうしよう」といった、トイレに行きたいと思ったときに、自由にトイレに行けないという不安。
このため、過敏性腸症候群の患者さんでは、電車や職場などの“自由にトイレに行けない環境”に向かう朝に症状が強く現れ、そして、このような環境から開放される休みの日には症状がでにくいといわれています。

・原因も分からずに続く下痢や便秘などの症状そのものに対する不安。
下痢や便秘などの病気の症状そのものに対する不安が、患者さんのストレスをさらに増大し、それによってまた症状を悪化させていく悪循環が繰り返されることがしばしばあります。

このような抑うつや不安の増大は症状を悪化させるとともに、患者さんのこころにも大きく影響を与えるため、うつ病の発症につながることもあります。事実、過敏性腸症候群の患者さんの20%がうつ病を発症しているという報告もあります。
そのため、過敏性腸症候群の患者さんでは、便通の異常や腹痛に対するからだの治療と一緒に、こころのケアも必要になります。
まずは、なんとなく続いている腹痛を伴う下痢や便秘が気になるときは、我慢せずに医師に相談するようにしましょう。

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