パニック障害の治療
● パニック障害について  ● パニック障害の治療  ● 周囲の人たちの対応
● パニック障害の診断  ● 自分でできるケア  ● パニック障害Q&A
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精神療法
精神療法でパニック発作への免疫力を高める
さて、SSRIなどのくすりにより、パニック発作を消失させることが、まず治療の第一段階でした。しかし、この状態ではまだ「パニック障害」という病気が治ったとはいい切れません。治療の最終目標とは「薬をのまずに、しかもパニック障害を起こさないようになること」です。そのためには、SSRIなどのくすりによって発作をコントロールした状態で、あるいはくすりを徐々に減量しながら、さまざまな心理的療法を行っていきます。
認知療法によって、患者さんのパニック発作に対する考え方を変化させ、行動療法によって、パニック発作への免疫力を高めていきます。
くすりの服用によって、パニック発作が起こらないことを患者さんが認識できたら、それまで避けていた状況や場所に徐々に挑戦してもらう治療法を行います。これを一般に暴露(ばくろ)療法といいます。
SSRIによりパニック発作や予期不安を抑えられるために、患者さんがこのような次の段階のリハビリ的治療に取り組めるようになります。
(1) 認知療法
  パニック障害のメカニズムや、治療法について十分理解してもらい、発作時に現れる身体症状に対して以前のようにパニックに陥らず、発作への感情的コントロールができるようにします。
例えば、「胸がドキドキしてきた」→「あっ、パニック発作だ、どうしていいか分からない!!」などとすぐに感情的に反応してしまうのを、
「胸がドキドキしてきた」→「あっ、またパニック発作がやってきた。今週は発作がこれで3度目だ。前回の診察のとき、先生と相談してくすりを減らしたせいかな。いや、おととい上司に締め切りのきつい仕事を頼まれたことが原因なのかもしれないな」というふうに冷静に考えられるようにしていきます。
(2) 行動療法
  人間を含む動物は、不安や恐怖を感じる対象にも、だんだん慣れてきて不安や恐怖を感じなくなっていくことが科学的に解明されています。そこで、パニック障害の症状の回避行動をこのような学習理論に基づいて修正していくのが行動療法です。最も代表的なものは暴露療法です。患者が「パニック発作が出たらどうしよう」という不安のために避けている場所に、あえて患者さんを連れて行きます。もちろん、急に極度の不安を感じる場所に行くのは逆効果 ですから、症状に応じて、段階的目標を設定し、進めていきます。たとえば、自宅に引きこもってしまっていた方ならば、「近所のコンビニエンスストアまで行く」→「駅の商店街まで行く」→「誰かに付き添ってもらい各駅停車で隣駅まで一区間だけ乗る」→「付き添いなしで急行に乗る」などです。
 
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