「うつ」を克服した人達
● 小川 宏さんの
体験談
● 藤臣 柊子さんの
体験談
● 竹脇 無我さんの
体験談
● 倉嶋 厚さんの
体験談
● 音無 美紀子さんの体験談

女優 音無 美紀子(おとなし みきこ)
1949年東京都生まれ。1971年に『お登勢(TBSテレビ)』で女優デビューし、その後も1982年映画『男はつらいよ 寅次郎紙風船』、CX系『はるちゃん(1〜4)』など数々のテレビや映画、舞台等で活躍。夫は俳優の村井国男さん。二人の子を持つ母でもあり、母親と女優を両立する姿勢に、同世代の女性の支持を集めている。
音無 美紀子さん写真


“まずは自分で一歩を踏み出すこと”その一歩が踏み出せれば、うつ病はきっと克服できると思います。
音無 美紀子さん写真良妻賢母で優しいお母さんのイメージそのままに、穏やかな笑みを浮かべてゆっくりと音無さんは、取材場となったホテルのソファーに腰をかけた。
テーブルに置かれたコーヒーカップに伸ばした音無さんの手からは、家族にたっぷりと愛情を注いできた母の温もりが溢れていた。
そんな音無さんがうつ病を体験したというのは、音無さんのお話が始まるまでは信じられないような感じがしていた。
「偉そうなことは何も言えないけど、私の体験が現在うつ病で悩んでいる方々のお役に立てればいいと思います」そう言って、苦しかった過去を懐かしむように音無さんはうつ病の体験談を話し始めてくれた。

当時の私は「がんばり屋の負けず嫌い」、うつ病になりやすい性格にぴったり当てはまっていました。
音無 美紀子さん写真うつ病になりやすいタイプっていうのを以前、何かの本で見たことがあるのですが、当時(18年前)の私はぴったり当てはまっていました。がんばり屋、負けず嫌い、見栄っ張り、まさにその通り。ちょっとこれは無理かな〜と思っても断れないことがよくあって、自分の限界を超えた仕事を詰め込んでいました。
忙しくていっぱい、いっぱいでも引き受けた以上は完璧にやりたいと思うから、また、そこで無理をして。若いころの自分はそんなことの連続でしたね。
それは、仕事だけでなく、主人や子供たちに対してもそうでした。やはり、女優の仕事と家事を全部やりこなすのは難しいから、時にはお手伝いさんをお願いすることがあるんですが、他人に素直に任せることができなくて、「あ、それは違う。これはこうじゃなきゃダメ」とか細かく口出しして、結局自分でやってしまうということもよくありました。
自分にはできないってことを言うことがとにかく悔しくて、なんでもかんでも「できる」って言い張っていたんです。
本当に今考えると、自分でもおかしいくらいの負けず嫌いですね。
でも、人には時間も能力も限られていて、どんなに無理をしてもできないこともあって・・・。
だから、いろいろ抱え込んでいるうちに、自分ではどうしようもできなくなってパニックになることもよくありました。

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