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第2回−「職場のうつ」

[患者さんのために]〜職場にこれから復帰しようとする患者さんのために〜

  ○ 最も調子が悪い状態でも仕事ができると思ったら、職場復帰

うつは、良い状態と悪い状態を交互に繰り返しながら、回復していきます。多くの患者さんは、自分が最も良くなった状態の時に、「これなら職場に復帰できる」と判断してしまいがちですが、それではなかなかうまくいきません。最も調子が悪いときの自分が、職場に戻って仕事ができるかどうかという観点で判断し、主治医と相談の上、復帰のスケジュールを決めましょう。



  ○ 主治医の先生に“情報提供書”を書いてもらう

“情報提供書”とは主治医が患者さんのために書くものです。職場に復帰する時に診断書とは別に主治医の先生に情報提供書を書いてもらい、会社に提出するとよいでしょう。
情報提供書の内容としては、

現在の状態
(病気の状態だけではなく、仕事生活を含めた社会生活上の問題点など)
復職に際し配慮すべき就業上の制限
再発・再燃を防ぐためのアドバイス
どのような症状が見られたら注意すればよいのか

などが記載されていると会社も対応しやすいでしょう。
産業医の先生がいる場合は、情報提供書を産業医の先生にも渡しておくとよいと思います。

うつは怪我のように傷口がみえたり、風邪のように熱が出たりして明らかに異常が分かる病気ではないため、職場では、患者さん本人に病状の判断を委ねられてしまいます。しかし、長く休職し迷惑をかけたという思いなどもあり、自分の口から会社側に要望することはなかなか難しく、つい無理をしてしまいがちです。そのような場合、主治医の先生に情報提供書を書いてもらえば、少しずつしか仕事を増やせないことなどが職場復帰のための医療プログラムとして考慮されやすくなります。

うつは病気になるのにかかったのと同じ時間だけ、治るのにも時間がかかると言われています。決して復帰を焦らないでください。医師と企業(管理者)と患者さんがしっかりと連絡を取り取り合いながら、少しずつ、少しずつ復帰していければよいのです。

  ○復帰のための準備から始める

職場に復帰しようとした時、殆どの患者さんがすぐに仕事に戻ろうとします。しかし、すぐに出社するのではなく、復帰のための準備から始めましょう。
まずは、「スーツを着てネクタイをして、満員電車に揺られて図書館にでも行ってみる」、こんなことから始めてみてください。
図書館で気の向くままに本を読んで帰宅とか、または会社の近くの喫茶店で新聞を読みながらコーヒーを一杯のんで、そのまま会社には行かず帰宅とか。このような“通勤”が一週間くらい続けられたら、自信もついてきます。
うつがひどかったころは新聞もまともに読めなかったでしょう。満員電車には乗れなかったでしょう。ひとつずつ、ひとつずつ、元気だった頃の自分に戻れていることを実感しながら、職場への復帰を準備していけばよいのです。



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