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第2回−「職場のうつ」

[基礎編]職場のうつを発症させないために!

 
○ 「職場のうつ」を起こす原因の一つは
“努力”と“報酬”のバランスの崩れ


「職場のうつ」について考える場合、「過労」と「うつ」の関係が注目されますが、必ずしもそうとは言えません。それは、モチベーションが高ければ、長時間労働もあまりストレスと感じず、生産性が高くなることが多いからです。自分のやりたかった仕事を夢中でやっている時には、気力が充実し、疲れもあまり感じなかったという経験がある方も多いのではないでしょうか。
社員の精神面に大きな影響を与える要素として最も大きいのが、この「ワークモチベーション」なのです。ワークモチベーションを維持・向上させるためには、職場において社員の“努力”とそれに対する“報酬”のバランスがとれるように、企業は環境を整える必要があります。
報酬というと経済的なことがイメージされがちですが、これには
「経済」、「キャリアの保証」、「個の尊重」という三
つの要素があり、どれが欠けても社員の努力に対して十分な報酬が与えられているとは言えません。

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この“努力”とそれに対する“報酬”のバランスがとれなくなった時に、社員は精神的なストレスを大きく感じるようになります。
特に現代の職場環境では「個としての尊重」にはあまり配慮がなされていないように思います。経済的な報酬は単純で解りやすくもっとも大きな要因であると思われていますが、しかし、月収が5万円あがるよりも個としてその能力や価値を評価することの方が実際には大きな意味を持ちます。
このようにして“努力”と“報酬”のバランスをとることは、社員の仕事に対するモチベーションの向上をもたらします。
そして、社員の仕事に対するモチベーションが高いということは、精神的にも元気な状態であると考えられるため、職場でのストレスに対しても抵抗力が強く、うつなどを発症しにくくなると言えます。
疲れによってからだの抵抗力が弱まればいろいろな病気にかかりやすいのと同じように、こころに元気がなくなれば、ストレスなどの強い刺激に耐えられずうつなどのこころの病気を発症しやすくなります。
イラストそのため、企業や管理者は社員が常にモチベーションを高くもって仕事に取り組めるようにサポートすることが大切です。

 


社員のモチベーションを高め、社員のうつを発症させにくい職場環境をつくることは、最終的には企業にとって生産性の向上に繋がっているのです。一人の社員がうつによって仕事への集中力ややる気が低下した場合や、休職にまで至った場合、どのくらいの損失となるかを管理者や企業は再認識しておかなければなりません。

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