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第1回−「女性ホルモン」と「うつ」

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  ●月経に関係したこころやからだの症状が現れるのはいつでしょうか?


 こころやからだに不快な症状が現れやすい時期は、月経が始まる1週間くらい前からが多くなっていますが、この時期には個人差があります。以下のような4つのタイプに分けている人もいますが、実際にはもっと多くのバリエーションがあります。

あなたのこころやからだに不快な症状が現れるのはいつでしょうか? 図

●生活上のストレスや環境の変化によって、月経前の症状は強くなります。

 月経前の不快な症状は、生活上のストレスなどが加わることによって、さらに強まることがあります。

 例えば、就職、転職、結婚、失恋、離婚、などの環境の変化が起こると、それがストレスになって、眠れなくなったり、イライラしたり、憂うつになることがあります。このような状況に月経による卵巣ホルモンの変動が重なると、月経前の症状がより強くなります。イラスト

 また、「人間関係のストレス」、「仕事のし過ぎ」、「過労」、「睡眠不足」、「偏った食生活」などの慢性的なストレス状態が続くと、月経前の症状が増幅されて感じられ、憂うつ感や不安感を強めることがあります。

●月経前の症状で、あなたは生活に支障をきたしていませんか?

 月経前にからだやこころに症状が現れる女性は少なくありませんが、そのような症状が生活に支障をきたすようになる場合を、「月経前症候群」と言います。

 月経前症候群は、英語でPremenstrual-Syndromeといい、最近ではその頭文字をとったPMSという呼称でも知られるようになってきました。

 月経前症候群(PMS)については、明確な診断基準がないのが現状ですが、アメリカ精神医学会は、月経前症候群(PMS)の中でも、こころの症状を主体とした重症型を「月経前不快気分障害(PMDD)」として、その診断基準(案)を提案しています。

 この、「月経前不快気分障害(PMDD)」では、症状が苦痛であるというだけでなく、仕事面での作業能力が低下したり、対人関係の問題を引き起こしたり、などの社会的な影響が出ることも大きな問題になります。

 日本では、「月経前症候群(PMS)」や「月経前不快気分障害(PMDD)」についての正しい情報は少なく、また月経前のこのような症状の対処法も余り知られていません。

 あなたの症状も今は、生活に支障はないかもしれませんが、仕事や人間関係のちょっとした変化などがきっかけで、症状がひどくなることもあります。
 私の診療室を訪れた患者さんの中にも、「月経の10日前になると情緒不安定になり夫や娘に八つあたりしてしまいます。このままでは、家庭が壊れてしまうのではないかと不安になり・・」と訴えてこられた方がいます。日本でも、月経前不快気分障害(PMDD)で苦しんでいる方は珍しくないのではないかと思います。

 また、欧米では月経前に不快な症状が強く現れるタイプの人は、うつ病などを発症しやすいという報告もあります。
 そのため、日頃から精神面のケアには留意し、自分自身をリラックスさせる方法を身につけておくことが大切です。

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